らく葉2009/12/01 08:30

らく葉
(C) Sandino. All rights reserved.


先日近くの寺の裏山へ行った。
葉は色づき、
風に乗り、
赤や、黄色の舞い姿をみせる。
それがなぜか涙のように思えた。

永島慎二の「シリーズ黄色い涙」。
白土三平の「赤目プロダクション」。

永島慎二の「フーテン残酷物語」、「漫画家残酷物語」。
白土三平の「忍者武芸帳」、「「カムイ伝」。

舞い頻る落葉に、
それらの作品が浮かび上がる。
地に落ちることなく、
いずこへと運ばれていったのか。


今日の俳句

  朽ちし葉は赫き涙か舞い偲ぶ

  クチシハハ アカキナミダカ マイシノブ

口惜しみ2009/12/02 07:53

口惜しみ
(C) Sandino. All rights reserved.


友の突然の死から、
すでに半年以上が経つ。

消えていった友。
若くして死んだ幾人もの友。
消息も途絶え、死を考えるしかない友。

友たちの、
口惜しみ。


今日の俳句

  小夜時雨口惜しみ満ちて草の陰

  サヨシグレ クヤシミミチテ クサノカゲ

シルクロード2009/12/03 08:43

シルクロード
(C) Sandino. All rights reserved.


平山郁夫氏が亡くなられた。
「またひとり」という想いが重なる。

被爆者となった平山氏が、
日本画の中に表出していたもの。

日本画としての、
画面の大きさのみではなく、
絵画そのものの内部から、
俺たちを捉える
大きさ。


今日の俳句


  散萎径歩まんと怺へゐる

  チリシオル ミチアユマント コラエイル

膝をかかえ2009/12/04 07:51

膝をかかえ
(C) Sandino. All rights reserved.


部屋にぽつねんと座り、
果たせなかった夢だけを、
掻き抱く。

膝をかかえ、
横になれば、
二度と起きることはないだろう。
そう感じてしまう。


今日の俳句


  労きて熊穴に入る懸想抱き

  イタツキテ クマアナニイル ケソウダキ

ほんの少し2009/12/05 09:02

ほんの少し
(C) Sandino. All rights reserved.


俳句を作り出して半年になる。
手探りで作り続けている。
俳句とは何かが見えないままだ。

季語だけは入れている。
切れは入れていない。
約束事に縛られぬよう。

俳句を知ったのは、
まだ幼いころ。
おやじから子規の代表作を教わった。
「柿食えば...」
この句の空間が、
共有できないままだった。
もう何十年も。

数日前、
NHKの子規の番組を観た。
引っかかっていたものが、
ぽとりと落ちた。

ほんの少し、
見えた気がした。


今日の俳句


  柿熟し崩れし皿に時雨きき

  カキジュクシ クズレシサラニ シグレキキ

林静一2009/12/06 07:06

林静一
(C) Sandino. All rights reserved.


朝日新聞から出版された、
「赤色エレジー」を読んだ。
「カムイ伝」を掲載するために出版された、
月刊誌「ガロ」。
そこで連載されていた。

あのころ、
部屋の隅に、
うずたかく積んでいた、
「ガロ」
今は失った。

あの時代はもう、
想像すらできなくなっているのか。

裸電球のコードにとまる蝿。
見つめる、
幸子の眼差し。

それが終わりへ向けた始まり。

林静一の時代。
俺たちの時代。


今日の俳句


  然すがに塞き敢ふるとき虫絶ゆる

  シカスガニ セキアウルトキ ムシタユル

原風景2009/12/07 07:56

原風景
(C) Sandino. All rights reserved.


散歩しながら見つめた家並みに、
生まれ育った町を重ねる。
東京の下町。
バラックの連なり。

にぎわう商店街。
小さな町工場。
隅田川(荒川)の澱んだ流れ。
空気は澄んではいないけれど、
それが俺の原点。

戻りたいとは思わない。
今を生ききらねば、
戻ることはできない。


今日の俳句


  乾びたる声あげきしや寒苦鳥

  カラビタル コエアゲキシヤ カンクドリ

あまりにも無残な2009/12/08 08:01

あまりにも無残な
(C) Sandino. All rights reserved.


ひとつのつながりの中の、
ひとつの区切りの日。

それは、
破滅へと突き進む道。
あるいは、
新しい時代へのきっかけ。

しかし、
あまりにも多大で無残な、
死。


今日の俳句


  戦さ世の御霊瞑らず鬨を聴く

  イクユノ ミタマネムラズ トキヲキク

「連帯」2009/12/09 07:52

「連帯」
(C) Sandino. All rights reserved.


アンジェイ・ワイダの新作、
「カティンの森」が公開された。
「灰とダイヤモンド」。
「地下水道」。
俺たちの世代にとり、
そのラストシーンの衝撃。

ポーランド。
民主化の先陣を切った、
独立自主管理労働組合「連帯」。

労働組合指導者であり、
ノーベル平和賞受賞者のワレサは、
政治の世界を離れた。

「連帯」が掲げた理想。
そして、実現。
どれだけの時が必要なのだろうか。

「学生と労働者の連帯」。
叫んでいた俺たちも、
もういない。


今日の俳句


  連帯と云う言葉消ゆ月冴ゆる

  レンタイト イウコトバキユ ツキサユル

変革2009/12/10 08:29

変革
(C) Sandino. All rights reserved.


あれほど変革を叫んだ時代があったのに、
何が変わったというのか。

豊かさを手に入れたか。
心の豊かさを失いながら。

利便性を獲得したか。
ゆるやかな時間を失いながら。

将来への不安などない。
今ここに存在することの、
不安。


今日の俳句


  僞りや優しさ流れ小春空

  イツワリヤ ヤサシサナガレ コハルゾラ